買収コストからみて割安な銘柄　ゲーム、医薬が上位に

株式相場の低迷が続くなか、財務体質や収益力との見合いで株価が割安で、Ｍ＆Ａ（合併・買収）の対象になりかねない企業も少なくない。買収コストの観点からみて割安な銘柄をランキングしたところ、ゲームや医薬品関連が上位に並んだ。

東京証券取引所第１部、第２部に上場する３月期決算企業（金融・電力除く）のうち時価総額が１千億円以上、手元資金が有利子負債を上回る「ネットキャッシュ」の企業を対象に、割安投資の指標である「Ｍ＆Ａレシオ」でランキングした。同レシオが低く、計算上は買収資金の回収がしやすい順に並べた。

上位20社のうち、19社でＭ＆Ａレシオがマイナスになり、計算上は買収すれば利益が出る形になった。首位の任天堂は2011年９月末時点で8865億円の手元資金を持つ。一方、業績悪化で株価は振るわず、昨年12月20日には年初来安値を更新。株価低迷で買収対象としての魅力が高まったようだ。ゲーム関連ではスクウェア・エニックス・ホールディングスも５位に入った。

６位のソニーはテレビ事業の苦戦や円高・ユーロ安による業績悪化が懸念されている。自動車関連ではスズキが４位。独フォルクスワーゲンとの資本・業務提携の解消に向けた交渉などが長期化し、先行きも不透明な点が嫌気された。

http://www.nikkei.com/markets/kigyo/meigara.aspx?g=DGXNMSGD0603J_06012012000000