9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/10/09(土)00:22:48.57ID:AfvvxmAq0
「そんな大荷物を持ってどこへ行くつもりだ?」
城門の門番が俺たちに訊いてくる。
「部屋の整理をしてたらいらないものがたくさん出たから
ちょっとハードオフに売ってくるだけだ」
黒魔がそう返すと門番はあっさりと通してくれた。
さすが魔法使い。ただの兵士の俺とはちせいの値が違う。

俺たちのステータス
おれ Lv1 HP80 MP0
ジョブ:せんし
Eスピア
Eアイアンシールド
Eアイアンアーマー
Eアイアンヘルム

くろま Lv1 HP32 MP9
ジョブ:くろまどうし
Eぬののふく
●ファイア




12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/10/09(土)00:24:04.48ID:AfvvxmAq0
とりあえず町にいられる休憩時間のうちに
有り金をすべてはたきバロンの町でテントとポーションを買い込む。
バロン周辺には他に町も宿屋もないから
俺たちにとってアイテムだけが回復手段となるわけだ。
もしも俺の隣にいるこいつが黒魔導師じゃなくて白魔導師なら…
と思ったがレベル1じゃあMPもたかがしれてるな。

バロンの町から離れたところで少しだけレベルを上げる。
バロンの外へ出るにはセシル隊長達が幻獣討伐に向かった
ミストの洞窟を通らなければならない。
もしかしたら幻獣と戦うかもしれないためレベルを上げるのだ。




13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/10/09(土)00:25:23.59ID:AfvvxmAq0
といっても俺たちは城の中で出るはずのない不審者相手に見回りやってた兵士と
安全な研究室で延々と魔法研究をサボりながらやってたしていた黒魔導師。
二人とも実戦経験がないためゴブリン相手にも苦戦を強いられる。
一応黒魔のファイアがあるがすぐMPが切れるか戦闘不能になるため
あまり役には立たなかった。
あ、黒魔を後列に下げるのを忘れてた。
そりゃあすぐ倒れるよな。

テントを5つ消費した頃、ようやく俺たちのレベルは3になった。
俺のHPが三桁になったのでそろそろミストの洞窟へ向かうことにした。
一つ気になったのが倒したはずのゴブリンが一度だけ立ち上がって
仲間にしてほしそうにじっと俺たちを見つめたことがあったことだ。
俺が蠅をあしらうようにしっしとやると
ゴブリンは残念そうに逃げていったが、
今思えばとどめを刺して経験値にすればよかったと思う。




15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2010/10/09(土)00:26:47.00ID:AfvvxmAq0
フロータイボールやソードラット等の妨害を受け流しつつ
俺たちはミストの洞窟に入った。
そこそこ深い霧が戦いで火照った俺たちの顔を冷やしてくれる。
そこまで視界が悪いわけでもないのでスピアとファイアでモンスターを
倒しながら進むと出口付近でドラゴンのような生き物の死骸を見つけた。
黒い傷跡と深くえぐれた刺し傷をみるにセシル隊長たちが倒したのだろう。

「この死体、死後二週間程度だな」
なぜか死骸に鑑識のようなことをやっている黒魔が言った。
はて、セシル隊長たちが幻獣討伐に向かったのも二週間前だ。
旅立って一日も経たずに目的を達成したのなら
何故二人は帰ってこなかったのだろうか。
王様が亀だったことと関連があるのだろうか?




続きは次のページで